Academia Flamme はじめます!~vol.1 理系女性のキャリア~

2023.06.02.

Category:

ダイバーシティ

Academia Flamme はじめます!~vol.1 理系女性のキャリア~

この度、フラームジャパンでは会員制コミュニティ Academia Flammeを立ち上げました。こちらのコラムではその背景にある課題意識やフラームの想いについて、数回に分けてお伝えしたいと思います。

医療の高度化、オーダーメイド化に伴い、ヘルスケア業界でも医学的・科学的なアプローチへのニーズが高まっている現在、理系出身者の活躍できるフィールドは大きく広がってきています。一方で、すべての人材の活用が十分になされている状況とはいえません。Academia Flammeでは中でも、理系女性、博士課程修了者がスキル、マインド面ともに成長し、これからのヘルスケア業界でロールモデルとして存分に活躍することを目指します。

また、そのようなロールモデルと企業との橋渡しを行うことで、企業側における女性活躍推進、D&I推進を本質的に一段と加速させ、ヘルスケア業界全体のさらなるイノベーション、価値創造へ貢献するとともに、誰もが理想のキャリアを描くことのできる社会の実現を目指します。

今回のコラムでは、理系女性に関する現状課題について掘り下げていきます。


理系女性のキャリアの現状

フラームジャパンは、2017年に「女性活躍推進」のコンサルティング企業としてスタートしました。キャリア女性向けの化粧品のコンセプトショップの展開なども行いましたが、メインは製薬企業に対して女性活躍のコンサルティングを行ってきました。

その当時の女性MRは、結婚と同時に退職はしていませんでしたが、妊娠した後は育休復帰と同時に退職するのがほとんどでした。企業側もお子さんのいる女性MRを活用しようという意識がなく、活用事例もなかったために、女性MRは、MRという職種への閉塞感を感じていた時代でした。

その中で、代表の飯嶋はモチベーションの高い女性MRの採用、管理職レベルに育成するプログラムを製薬会社と一緒に企画、実施しながら、ライフイベントを経験した女性MRの活躍事例を業界に先駆けて多く生み出してきました。

今となっては、「お子さんのいる女性が働いている」というのが、通常の光景となりました。そのように、あたりまえでなかったことが、あたりまえになっていくことが、フラームジャパンのミッションでもあります。

このように取り組む中で、製薬企業においてMR職にとどまらず、研究職等の理系職種でも女性活躍が進んでいない現状を目にしてきました。

日本の女性研究者比率は女性MR比率とほぼ同じ15%

日本は国際的にみても理系女性が少ない国です。

「リケジョ」という言葉が取り立たされることからも、一般的に、「理系」「研究者」というと男性主体のイメージがあるのではないかと思います。

こちらの2つの図は横軸に数学、科学の得点の男女差、縦軸に女性研究者の割合をプロットしたものです。



(出展)内閣府 理工系分野における女性活躍の推進を目的とした関係国の社会制度・人材育成等に関する比較・分析調査報告書

日本の数学、科学の得点の男女差は他の国と比べて特段に大きいわけではありませんが、日本では、女性研究者の割合は約15%と、同様の得点差がある他の国と比べ圧倒的に低いことがわかります。

この約15%という割合は、2017年時点の女性MR比率とほぼ同じです。(2018MR白書より)

日本において、女性研究者は女性MRと同様に、職場においてマイノリティであり、男性中心で作られてきた職場の制度や価値観の中で、十分な活躍ができていない、というのが現状です。

日本は理系を専攻する女性も少ない

こちらはOECDが発表した、各国の大卒女性割合(左)と科学や数学、情報学などを専攻する女性割合(右)を示すデータです。

http://www.compareyourcountry.org/gender-equality



日本の大卒女性は45.4%と半分に近い数値ですが、そのうち科学や数学、情報学などを専攻の割合は25.2%とOECD諸国と比べても低い結果でした。

日本の女子学生の理系能力は他の国と比べても低くないのに、理系へ進学する割合が低く、最終的には女性研究者の割合も圧倒的に低くなってしまっているのです。

「理系」&「女性」に対するアンコンシャスバイアス

この背景には、理系で進学、就職するロールモデルが不足しているために将来のイメージが描けず、その道を選べないという悪循環があります。

さらに「女の子なのに理系を選ぶなんて」「女性は早く社会に出た方がいい」といったバイアスも根強く存在しており、女性が理系への道を選択することを周囲が止めてしまったり、女性自身が心理的にハードルを感じたりしています。

各方面で「リケジョ」を増やそうと取り組みが行われていますが、首をかしげたくなるような表層的な取り組みも少なくありません。

ではどうすればいいのか?

フラームジャパンでは、現状を改善するためには、理系への道に進むことが自分の人生を豊かにしてくれる、と女性が心から思えるようにすることが必要だと考えています。

そのために、理系の道で活躍するロールモデルを一人でも多くつくりたいと考えています。

フラームジャパンがこれまで女性MRのロールモデルの姿を発信することで、多くの女性MRがキャリアへの意識、モチベーションを高め、活躍するチャンスを手にしてきたように、今後は理系女性のロールモデルをつくっていきたいと考えています。

理系女性のロールモデルを輩出することは、目の前の女性活躍推進のためだけでなく、アンコンシャスバイアスを減らすことにもつながっていくはずです。

そして、理系を目指す女性の裾野を広げ、今の女の子たちが自身の可能性をより自由に探索していくことにもつなげて行きたいと考えています。

次回コラムでは、博士卒人材のキャリアについて掘り下げてみたいと思います。

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Academia Flammeは「自律的な学び、キャリア観の醸成」を通して、ヘルスケア業界での活躍を目指す理系出身者が「理想のキャリア」を構築することを応援するコミュニティです。 自己啓発につながる情報を発信・共有するとともに、ロールモデルやキャリアに関する考え方も紹介していきます。メンバー限定のオンラインでのイベントや交流会も予定していますのでお楽しみに!

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2023.06.02.

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この度、フラームジャパンでは会員制コミュニティ Academia Flammeを立ち上げました。こちらのコラムではその背景にある課題意識やフラームの想いについて、数回に分けてお伝えしたいと思います。

医療の高度化、オーダーメイド化に伴い、ヘルスケア業界でも医学的・科学的なアプローチへのニーズが高まっている現在、理系出身者の活躍できるフィールドは大きく広がってきています。一方で、すべての人材の活用が十分になされている状況とはいえません。Academia Flammeでは中でも、理系女性、博士課程修了者がスキル、マインド面ともに成長し、これからのヘルスケア業界でロールモデルとして存分に活躍することを目指します。

また、そのようなロールモデルと企業との橋渡しを行うことで、企業側における女性活躍推進、D&I推進を本質的に一段と加速させ、ヘルスケア業界全体のさらなるイノベーション、価値創造へ貢献するとともに、誰もが理想のキャリアを描くことのできる社会の実現を目指します。

今回のコラムでは、理系女性に関する現状課題について掘り下げていきます。


理系女性のキャリアの現状

フラームジャパンは、2017年に「女性活躍推進」のコンサルティング企業としてスタートしました。キャリア女性向けの化粧品のコンセプトショップの展開なども行いましたが、メインは製薬企業に対して女性活躍のコンサルティングを行ってきました。

その当時の女性MRは、結婚と同時に退職はしていませんでしたが、妊娠した後は育休復帰と同時に退職するのがほとんどでした。企業側もお子さんのいる女性MRを活用しようという意識がなく、活用事例もなかったために、女性MRは、MRという職種への閉塞感を感じていた時代でした。

その中で、代表の飯嶋はモチベーションの高い女性MRの採用、管理職レベルに育成するプログラムを製薬会社と一緒に企画、実施しながら、ライフイベントを経験した女性MRの活躍事例を業界に先駆けて多く生み出してきました。

今となっては、「お子さんのいる女性が働いている」というのが、通常の光景となりました。そのように、あたりまえでなかったことが、あたりまえになっていくことが、フラームジャパンのミッションでもあります。

このように取り組む中で、製薬企業においてMR職にとどまらず、研究職等の理系職種でも女性活躍が進んでいない現状を目にしてきました。

日本の女性研究者比率は女性MR比率とほぼ同じ15%

日本は国際的にみても理系女性が少ない国です。

「リケジョ」という言葉が取り立たされることからも、一般的に、「理系」「研究者」というと男性主体のイメージがあるのではないかと思います。

こちらの2つの図は横軸に数学、科学の得点の男女差、縦軸に女性研究者の割合をプロットしたものです。



(出展)内閣府 理工系分野における女性活躍の推進を目的とした関係国の社会制度・人材育成等に関する比較・分析調査報告書

日本の数学、科学の得点の男女差は他の国と比べて特段に大きいわけではありませんが、日本では、女性研究者の割合は約15%と、同様の得点差がある他の国と比べ圧倒的に低いことがわかります。

この約15%という割合は、2017年時点の女性MR比率とほぼ同じです。(2018MR白書より)

日本において、女性研究者は女性MRと同様に、職場においてマイノリティであり、男性中心で作られてきた職場の制度や価値観の中で、十分な活躍ができていない、というのが現状です。

日本は理系を専攻する女性も少ない

こちらはOECDが発表した、各国の大卒女性割合(左)と科学や数学、情報学などを専攻する女性割合(右)を示すデータです。

http://www.compareyourcountry.org/gender-equality



日本の大卒女性は45.4%と半分に近い数値ですが、そのうち科学や数学、情報学などを専攻の割合は25.2%とOECD諸国と比べても低い結果でした。

日本の女子学生の理系能力は他の国と比べても低くないのに、理系へ進学する割合が低く、最終的には女性研究者の割合も圧倒的に低くなってしまっているのです。

「理系」&「女性」に対するアンコンシャスバイアス

この背景には、理系で進学、就職するロールモデルが不足しているために将来のイメージが描けず、その道を選べないという悪循環があります。

さらに「女の子なのに理系を選ぶなんて」「女性は早く社会に出た方がいい」といったバイアスも根強く存在しており、女性が理系への道を選択することを周囲が止めてしまったり、女性自身が心理的にハードルを感じたりしています。

各方面で「リケジョ」を増やそうと取り組みが行われていますが、首をかしげたくなるような表層的な取り組みも少なくありません。

ではどうすればいいのか?

フラームジャパンでは、現状を改善するためには、理系への道に進むことが自分の人生を豊かにしてくれる、と女性が心から思えるようにすることが必要だと考えています。

そのために、理系の道で活躍するロールモデルを一人でも多くつくりたいと考えています。

フラームジャパンがこれまで女性MRのロールモデルの姿を発信することで、多くの女性MRがキャリアへの意識、モチベーションを高め、活躍するチャンスを手にしてきたように、今後は理系女性のロールモデルをつくっていきたいと考えています。

理系女性のロールモデルを輩出することは、目の前の女性活躍推進のためだけでなく、アンコンシャスバイアスを減らすことにもつながっていくはずです。

そして、理系を目指す女性の裾野を広げ、今の女の子たちが自身の可能性をより自由に探索していくことにもつなげて行きたいと考えています。

次回コラムでは、博士卒人材のキャリアについて掘り下げてみたいと思います。

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