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VALUE PROPOSITION

ユーシービーの目指す姿

ユーシービーは、自社の医薬品を通じて、関節リウマチの患者さんに特に多い女性が、その病気を理由に仕事やライフプランにおけるチャンスやチャレンジへの権利を諦めずに人生を歩むことを目指した戦略"for HER”を掲げています。for HERに込められたユーシービーの想い、目指す未来とは何か。医師へのインタビュー、ユーシービー社員の対談を通して紐解いていきます。

Message from Key Opinion Leader

人生の可能性を広げる医療を

村島 温子 先生

国立成育医療研究センター
周産期・母性診療センター 主任副センター長
妊娠と薬情報センター センター長

村島 温子 先生

筑波大学医学専門学群卒業。順天堂大学膠原病内科を経て、平成14年に国立成育医療センター(現 国立成育医療研究センター)周産期診療部 母性内科医長に就任、平成25年より現職。

  • ・厚生労働省 厚生科学審議会 医薬品医療機器制度部会 委員
  • ・日本母性内科学会 理事長
  • ・日本リウマチ学会 専門医・指導医・評議員

著書/膠原病とリウマチの治し方(村島温子監修、講談社)、アラフォー安産(村島温子、三井真理 著、経済界)など多数

“病気はあるけど妊娠したい”の想いに応える医療を目指して。

膠原病の女性患者さんに対して、診療中はどのようにアプローチされていますか?

まず、私が医師を目指した原点は「人の役に立ちたい」と思ったことです。卒業時点では循環器を専門にしたいと思っていましたが、研修医時代にローテーションした循環器科は生活習慣が元になる虚血性心疾患の患者さんが中心だったんですね。一方で、膠原病という病気は原因がはっきりしない上に、明るい未来がある20代の女性が多く発症してしまう、そんな患者さんを目の当たりにした時、私が診ていくべきはこちらの方だ、と途中から膠原病の専門に転向しました。
一口に膠原病と言っても、様々な疾患に分類されます。関節リウマチは比較的中年世代の方が罹患しやすく、命にあまり影響はありませんが、SLE(全身性エリテマトーデス)は命に関わる怖い病気です。患者さんは圧倒的に女性が多く、特に20歳〜40歳での発症が多いんですね。この年代は、結婚や妊娠・出産などのライフイベントが活発になる時期ですが、以前は「SLEと診断されたら妊娠なんてとんでもない」とまで言われていました。
その当時とても親しくなったSLEの若い女性患者さんから聞いたのですが、彼女が病気を発症した時にはフィアンセもいらっしゃって。主治医が病気発覚直後の彼女に対して「フィアンセを連れてこい」と。そしてフィアンセに「結婚を諦めろ」と言ったそうです。それでも彼は重篤なSLEの彼女を献身的に支えていましたね。その後2人は結婚しましたが、お子さんを産むことは叶わずに彼女は亡くなってしまいました。今私が主治医だったら、彼女は妊娠・出産もできたかもしれません。ただ30年くらい前のことだったので、叶えてあげることはできませんでした。

それで膠原病のご専門に転向されたのですね。

そういう患者さんを間近で見てきて、“膠原病を患っている人は妊娠できない”という現実に「なんで?」と思うことが多かったです。膠原病になることも不条理だし、病気だから人と同じことができないというのも不条理ですよね。それをどうにかできないか、私にできることはないかと思ったことがこの道に入ったきっかけの一つでした。
私自身の基本は「人の役に立つこと」ですが、医師としての基本は「病気によるハンディキャップを極力取り除いてあげること」です。命に関わる病気なら死なせてはいけないし、命に関わらない病気なら自分の意志を自由に行使できるような人生を送れるようにしてあげたい。そういう医療を届けていきたいと思いながら今に至りますが、その究極の形が母性内科ということですね。

当時に比べると、今の医療は進歩しているのでしょうか?

進歩していますよ。様々なライフイベントも昔に比べてずいぶん実現できるようになってきたと思います。医師としてかれこれ40年近くやってきましたが、そこでわかってきたのは、古い薬でもトライアンドエラーを積み重ねて使用していくことで効果を上げられるということです。それに加えて科学の進歩により新しい薬も出てきたので、治療はだいぶうまくいくようになりました。30年前の患者さんには申し訳ないですが、当時の学びがあったから今の発展がある、という部分はありますね。ただ、それでもSLEの患者さんの中には妊娠を諦めていただく方もいます。

医療の進歩があったとはいえ、まだまだ不安な気持ちを抱える患者さんに対してどんな風に声をかけていますか?

膠原病の中でもSLEやリウマチは“治らない”“難病である”というイメージが強いので、受け入れられるまでに時間がかかると思うんですね。ただ、最近診察を受けに来る患者さんの多くは妊娠を希望している方なので、病気のこともある程度受け入れていたり、治療が安定している方が多いです。それでも、妊娠中に発病する場合もゼロではありません。
私がそういう患者さんに対して心がけているのは、こちら側が“重大な病気になっちゃったね”感を出さないようにすること。
「風邪よりは長いお付き合いになるけど、今だったら治療法もあるし、これから一緒に頑張っていこうね」といった雰囲気でお話するようにしています。医療者が構えてしまうことが、患者さんを一番不安にさせてしまうのかなと思いますね。

先生から前向きなお言葉をいただくことで、患者さん自身も「頑張ろう」という気持ちになりそうですね。

病気を受け入れながら妊娠を希望している患者さんに、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合には薬を使いながらでも妊娠できる可能性があることをお伝えすると驚く方もいらっしゃいます。相当な覚悟で来られる方はまだまだ多いんですよね。

母性内科ではまさに患者さんの目線にたって病気によるハンディキャップを取り除くことを実践されているのですね。

妊娠した患者さんを他の科から紹介されて診ることもありますが、症状が軽かったり、昔病気にかかっていた場合でも症状が落ち着いている状態なら、出産まで問題なく至るケースもあります。一方で病状が思わしくなかったり、内臓機能が不完全な場合、一番簡単なのは妊娠を諦めてもらうこと。「この状態では妊娠は無理だから諦めなさい」と言ってしまえば、それで済んでしまうのですが、そうすると母性内科の需要はなくなってしまいます。でも、今まではそれが普通で、大学病院でも無理をしてリスクを取る必要はないという姿勢で治療にあたってきました。だから母性内科は広まらなかったし、全ての病院に母性内科ができるほどニーズが大きく高まっていたわけでもなかったのだと思います。
そんな状況を踏まえた結果、学会を立ち上げ、バーチャル医局のような形で横の繋がりを作って情報交換を行い、皆で切磋琢磨し続けてきました。それぞれがそれぞれの場所で頑張りながら、わからないことがあればみんなで知恵を絞り、相談しながら解決していくという形です。
ですから今後は「この患者さんは、妊娠は無理」とあっさり答えを出すのではなく、「母性内科でこういう分野をやっている先生のところに行けば何かいいアイディアがあるかもしれないから行ってごらん」と紹介してくださる先生が増えたり、こういう考え方だけでも広まっていくと嬉しいですね。

本来であれば妊娠・出産を諦めざるを得なかった方も、母性内科ができたことで救われているのですね。

母性内科の中には視点が異なる先生もいますが、私と同じ分野で片腕以上に頑張ってくれている女性医師とは「私たちは妊娠を諦めかけている患者さんに赤ちゃんを産んでもらうことが生きがいだよね」とよく話しているんです。それは私個人としての一番の目標でもあるので、その思いを胸に日々頑張っています。

MRには 患者さんを一番に想い、医療者と同じゴールを目指してほしい。

MRに必要な素質は何でしょうか?

MRはただの営業ではないので、体育会系でフランクな人ならいいというわけではありません。
もちろんコミュニケーション能力が高ければそれを活かすことも大切ですが、医療業界にいる以上は医師と同じ目標に向かって頑張っていただきたいですね。それから社会人の基本でもありますが、ミスをした時はきちんと謝る。こういう当たり前のことができる素直さも必要です。

先生がMRに期待していることを教えてください。

男性女性に関わらず、医療の現場に携わる立場として「患者さんや社会のためになる」という目標を持っていてほしい、ということでしょうか。
最近MRさんとは講演会でご一緒することが多いのですが、私たちと同じ目線で、責任感とプライドを持ってお仕事をされている方とたくさんお会いするんですよね。そういう方々と一緒にお仕事をさせていただいくととても気持ちがいいですし、むしろ私の方が教わることもあります。
実は、私がこの分野で注目していただけるようになったきっかけを作ってくださったのもMRさんでした。その方は自社製品を売るだけでなく、患者さんが妊娠・出産した場合、赤ちゃんにどれほど影響が出るのかといったデータの取得にも熱心に動いてくださって。私が母性内科を立ち上げるためにリウマチ・膠原病の世界から一時期遠ざかっていた時も、世の中の変化に応じて「先生、今はこうやった方がいいと思います」とか「こういう指標を活用した方がいいと思いますよ」とアドバイスしてくださいましたね。今でもすごく印象に残っています。
ですから、MR=営業職だと思って就職するとイメージとちょっと違うかもしれません。昔は売れてなんぼの世界だったかもしれませんが、今は医療者と同じ思いを持って伴走してくれる方に期待しています。

“女性MRだからこそ”という部分では、どんなことを期待されますか?

医師である夫とも話したのですが、そこで一致したのは“男と女は最後までわかりあえない”ということです。患者さんが女性だから医師も女性がいい、女性の医師だからMRも女性がいい、という言い方はしません。ただ、女性同士だからわかり合える部分は大きいですし、生物学的にも社会学的にも誰もが反対するところではないと思います。今は女性医師も増えていて、私の頃は1割ちょっとだったのが今では4~5割ほどです。これは女性MRにとっても追い風になっているのではないでしょうか。
私が考える最強の女性MRは、初対面でも臆せずにコミュニケーションが取れて、社会人としての常識も備わっている人。なおかつ前向きに医療者に伴走できる意志を持っている人だと思っています。

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for HER from UCB

for HER戦略と目指す未来

免疫・炎症事業部長

山口 一郎

2001年に製薬企業で働き始めて以来、マーケティング畑でキャリアを積み、2017年から事業部長となり現在に至る。モットーは『課題が解決を導き、解決は進化を導き、進化がまた課題を導く』。

免疫・炎症事業部
東京エリアHPP(地域医療パートナー)*

新田 真由美

2008年に大学を卒業後、内資系製薬会社や内資CSOに勤め、開業医施設で主にプライマリー製品を担当。その後外資系製薬会社にて、病院を中心に生物学的製剤・抗凝固薬を担当する。2020年9月、ユーシービージャパンに入社。大学病院や基幹病院を担当し、関節リウマチ・乾癬を中心とした生物学的製剤の情報提供を行う。

【HPP (Healthcare Provider Partner)*】

ユーシービー免疫・炎症事業部では、従来のMRの域を脱して、Healthcare Provider(医療従事者)の皆さんが適切な医療を提供するのに必要かつ有益な情報を提供し、会社と医療従事者、患者さんがwin-winの関係を構築することを目指し名称を変更しています。ただ会った回数や自分たちの売上だけを目標にするのではない、ということを実現しようとする意志の表れです。

for HER戦略で女性が自由意志を行使できるために。

山口さんのお仕事を教えてください。

山口:私の仕事は、免疫・炎症事業部を強くすることです。“強くする”というのはどういう意味なのか。それはいくつかの要素に分解できると思っていて、一つはユーシービーのソリューション=医薬品を世の中の患者さんにどのように届けるのか。もう一つは「人」。事業部にいる人たちが切磋琢磨して、個人個人がいかに市場価値を高めていけるかが大きいと思います。そしてその上に組織力というものがあって、どうやってチームワークを発揮していけるのかというところも、私の責務だと思っています。

免疫・炎症事業部の掲げる for HER 戦略のターゲットは、どんな方たちでしょうか?

山口:for HER戦略のターゲットは、18歳~45歳の女性です。我々の課題は、彼女たちに対してどのように大きなインパクトを与えるのか。大きなインパクトというのは、18歳~45歳の女性が自由意志で人生の選択肢を躊躇なく選び取れる状況を作ることです。これがfor HER戦略の目的です。

UCB菊池社長

具体的にどういう戦略ですか?

山口:ターゲットとなる女性たちが、リウマチという病気を持ちながらも、学業やキャリアに打ち込みたいなら打ち込める状況、就職をしたいなら就職できる状態にするというものです。女性の18歳~45歳は、妊娠など特にライフイベントが多くなる時期です。そんな大切な時期にリウマチがハンディキャップになるのであれば、その問題を解決し、常に自由意志を行使できる状況を作るというのがfor HER戦略です。

それを初めて聞いた時、どんな風に思いましたか?

新田:一言で言うと、すごくワクワクしました。私自身が女性だからということもありますし、前職でお会いしたリウマチの女性患者さんとのエピソードもなおさらそんな思いにさせたのかもしれません。その方は“仕事を続けながら、将来的に出産も考えたい”という方でした。当時はもどかしい思いを抱えていましたね。そういった患者さんにも何かしら提案ができることがあるはずであり、そういった提案が出来るようになることこそHPPとして非常に大きなやりがいがあると思っています。女性HPPとして、女性の患者さんの人生に寄与できるということは、間接的に女性活躍にもつながっていると考えると非常に社会貢献の高い仕事をしているという実感があります。

for HER戦略をどう捉えていますか?

新田:HPPとして先生方のアンメット・メディカル・ニーズに対応できる、新しい気づきを与えることができる戦略なのではないでしょうか。リウマチの先生は男性が多いので、女性のライフイベントに関して患者さんが医師に相談できないケースもあると伺っています。そういった場合も、HPPが女性であれば、女性としての視点からもメディカルスタッフにアプローチができるので、チーム医療に関わっていける実感があります。
HPPの転職は、様々なキャリアの軸があると思いますが、自分としても、for HER戦略には強く共感しておりますし、HPPとして、専門的に深い知識に加え、さらに女性HPPだからこそのキャリアを築けているのではないか、と思っています。


山口:私は、アンメット・メディカル・ニーズには2つの定義があると思っています。一つは「医師が普段感じているが、満たされていないニーズ」。もう一つは「医師や患者さんすら気づいていないが、潜在的に存在するニーズ」。for HER戦略は、後者を満たすことができるものだと考えています。リウマチの場合は性別に関わらず、医師が患者さんに対し“まずは病気と向き合って治すことが先決”、“患者さんの自由はリウマチである限り、ある程度制限される”という無意識のプライオリティがあるのは当然だと言えます。なぜなら医師の立場からすれば、数多くの患者さんと向き合わなければならないという厳しい現実があり、一人ひとりの患者さんの希望に十分に構いきれないのは当然だからです。しかしだからこそ、我々の方から患者さんごとに治療の目的が何であるかを先生方と議論していくべきであり、その解決策を先生方と一緒に考えることを止めてはならず、また患者さん自身も、病気を患っているという理由で人生の選択肢を諦める必要はないということに気づいてもらうために、我々の方でもっともっと努力をしていかなければならないスペースがあると考えます。

女性患者さんの最良の人生を作り上げるサポートを。

for HER戦略を立てるにあたって、どんな背景や価値観があったのでしょうか?

山口:ユーシービーでは、理念として「Patient Value」という言葉をよく使います。「Patient Value」とは、いかに患者さんに価値を届けるか。もう少し噛み砕いて言うと「Best patient experience」=患者さんにとって最良の治療体験を作りましょう、ということです。この価値観の本質は「患者さんが患者さんとして最良の人生を送れるようにする」ことだと私は解釈しています。
免疫・炎症事業部が携わっている自己免疫疾患というのは不治の病で、その中でも女性の患者さんが多い病気です。不治の病は、“完治”という名のソリューションを与えることはできません。我々ができることは、病気を抱えながらも最良の人生を作り上げるためのサポートです。病気によるハンディキャップを抱えているがゆえに、やりたいことが自由にできないという場面をできる限り少なくすることが私たちにできることだと思っています。18歳~45歳の女性に向けてユーシービーが提供できる薬剤を通じ「患者さんの人生を最良のものにできる可能性を持っている」ということを、医師や医療チーム、患者さんそれぞれに理解していただき、何らかの形でソリューションとして役に立てられれば嬉しいです。

HPPとしてできること、また、患者さんに接する方たちから聞いたエピソードがあれば教えてください。

新田:リウマチの先生からお話を伺っていると、患者さん一人ひとりにストーリーがあることを実感します。女性の患者さんで、妊娠を希望しているけれど病気がなかなか治まらないという患者さんは、毎回診察室で涙を流して帰られるそうです。そういうお話を耳にすると「リウマチと向き合いながらも、将来の希望は持ち続けたい」という患者さんの想いに応えていきたい先生の気持ちが伝わってきます。私も女性HPPとして、患者さんの気持ちも先生の気持ちも痛いほど理解しております。
そこに、私たちならではの提案することで、その女性のキャリア、ライフイベント含めて人生のすべての可能性を広げることができるんじゃないかなと思っています。自分の提供する情報や薬剤がどういった患者さんに貢献できているのか、その後どのような人生を歩まれたのか。介助をされているご家族が前向きになれたなど、そういうお話を先生から直接伺うと、HPPとして非常に喜びを感じます。

山口:製薬企業からすると患者さんは3つの患者群に分けられると思います。一つは、自分たちの薬が最もベネフィットを与えられる患者さん。二つめは、自分たちの薬でも他社の薬でもベネフィットを与えられる患者さん。三つめは自分たちの薬ではベネフィットを与えられない患者さん。これまでのベネフィットというのは、効果もしくは安全性だけで訴えていたと思うんですね。でも、これからはそうではなく、患者さんの人生において何が一番ベネフィットになるのかということを医師、患者さんとコンセンサスを取ることが、我々がすべきことだと思っています。特に我々は慢性疾患を扱っているので、今日や明日の話ではなく、1年後、10年後といったスパンでもって、その患者さんにとっての本当のベネフィットは何なのか、議論を重ねていくべきなんじゃないかなと。

新田:私もそう思います。先日も18歳の患者さんに対し「これからのライフイベントの選択肢を広げたい」というお話を先生から伺ったところです。HPPも一人ひとりの患者さんに関して先生とディスカッションをしていくことで、薬を通して、患者さんの選択肢を広げるお手伝いができると実感しています。

山口:ぜひ、これからも患者さん一人ひとりに合わせて、先生といい会話をしてほしいです。結局、今までの治験データからわかる有効性とか安全性の話は、単純に“明日”の話しかしていないんですよね。こういう話では通用しない世界に我々はいます。その患者さんにとっての人生は明日一日だけではなく、1年後、5年後、10年後の人生があり、それを見越して明日とるべき選択肢は何なのか、そういう議論をしていただけると嬉しいです。

患者さんの意志を尊重し、ダイバーシティー&インクルージョンを実現する。

for HER戦略を通してユーシービーが目指すこと、それに向けてHPPに期待することとは何でしょうか?

山口:免疫・炎症事業部は数十名ほどのHPPが所属しています。大前提として、HPPだけではなく全ての職種において全員が同じ方向を向いていることが大切です。この文脈の中でHPP に何を期待したいかと言えば、私は、先ずは大きな気概を持ってほしいと思っています。for HER戦略は弊社の薬を世の中に広めるというだけの仕事ではなく、一種の社会運動として捉えてやるべきものだろうなと。それはなぜかというと、病気を患っていてハンディキャップがあるがゆえに、自由意志を行使できないという状況を取り除く世界を作るため。もしくは、世の中が“患者さんだから”という理由で区別することをなるべくしない世界を作らなければいけないから。特に自己免疫疾患は本人の不摂生が原因ではなく、運命的になってしまう要素が多分にあると思います。

患者さんが病気とともに一生を送る事実そのものは変わらないですが、そのハンディキャップを乗り越えられる状況を作ることに対して我々がソリューションを提供する、という気概をもってほしいなと。これはダイバーシティーや、女性活躍推進活動にも繋がる気がします。患者さんと健常者を区分けすることにより社会が分断されると私は思っているので、病気があったとしても社会において自由意志・権利を行使できる世界をみんなで作りあげていこう、という気概をもってほしいです。そういう使命感を持つことこそが、製薬企業で働くことの矜持であると私は思います。

それを聞いて、どのように活動すべきだと思いますか?

新田:患者さんの目線で活動していくこと。つまり、患者さんへの想いを強く持ち、患者さん一人ひとりの人生を考えて勉強し、先生に情報を提供することが一番重要だと考えています。ダイバーシティーの点から言うと、ユーシービーは転職をしてきたHPPが多いので、いろいろな価値観を持った人たちと一緒に仕事ができます。HPPとして働いていく上で、そういう環境は刺激になっています。また、私と同じ部署ではお子さんのいる女性HPPも活躍しています。女性だからといって特別扱いされることもなく、HPPとしての成果が正当に評価される環境なので、やりがいをもって仕事に取り組むことができます。

山口:たとえば、ジェンダーに関して言えば、性を意識しない社会は平等と言えば平等ですが、男女という性差は間違いなくあると思います。であれば、性差を意識をすることはあってもいいけれど、意識の“方向”が大事なんじゃないかなと思います。良い意識の方向は何かと言うと、お互いにどこまで敬意を払えるか。それを邪魔しているのが、きっとバイアスだと思うんですよね。人間というのは年齢や性別、その他にも何かしらのバイアスを持ってしまっている。ピュアに敬意を持てるようにするためには、バイアスを持っていることを意識するところから始まる気がします。それは患者さんに対しても一緒です。
“この人はハンディキャップを持っているから配慮をしなければいけない”。その意識自体もバイアスになっている可能性があります。患者さんや社会のバイアスをどこまで外すことができるか。それを突き詰めて言うと、患者さんの意志の尊重を社会がどこまでできるかというチャレンジでもあると思います。「リウマチだね、でもいろんなことできるよね」と素直に思える社会をどうやって作るかが我々に課されているものじゃないかなと感じますね。

新田:大きな使命をもって仕事をできることにすごくワクワクします。山口さんが先ほど仰っていたように、先生方もまだ気づいていない部分がたくさんあると思うので、そこに気づいていただくために一人ひとりの患者さんについて話し合うことがとても大事だと思います。

山口:それは大前提ですよね。なぜなら、一人ひとり違うということを理解すること自体が、敬意を払っているという意味になりますから。事業部の皆で、そのような意識や行動を積み重ねていくことで、我々の目指す社会を実現していきたいと思います

JP-N-OT--2100005

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